テンプレート:漫画 あいつとララバイとは、1981年から週刊少年マガジンで連載されていた楠みちはるの漫画、及びこれを原作とする実写映画とアニメ映画である。
概要[]
- 昭和中期、バイクがまだ空冷で4気筒エンジンが最新技術だった時代に川崎重工業が生み出した4気筒750ccの名車750RS(形式名:ZII)と、そのオーナーである横浜在住の主人公・菱木研二(高校生)が織り成すバイク&青春マンガ。
- 連載が始まった初期の頃の研二は、ナンパな性格でかなりゆるいマンガであり、研二のZIIがズバ抜けて速いのは「不思議な力」といった空想チックな内容だが、後半に進むにつれZIIの速さは天才的なチューニングとライディングセンスによるという何となく納得できるような出来ないような内容の、やや玄人好みの物語になる。
- チューニングが始まるのは水曜日のシンデレラ編で出てくるバイクショップボンバーのオーナー(過去に世界で五指に入ると言われた天才チューナーで本名、杉本鉄彦 通称オヤッさん、研二だけはハゲのオヤジと呼ぶ)との出会いからであり、シンデレラのポルシェ911ターボとの箱根バトルに向けてZIIをチューニングしてもらう事になる時からである。
- その時のチューニング内容はいわゆるバランス取りのみで、ポートを研磨したくらいのファインチューンであった。
- その後、キングのカタナと走るためにオヤッさんがZIIをフルチューンへと進化させる。内容は全て記述されてはいないが、キング編連載当時(1986年~1987年)に10年ちかく解体屋に置いてあったモリワキのフルキットを組み込んだレースエンジンが部品ベースとの事なので、Z系エンジンのレース仕様と言えばモリワキモンスターZ1000などのエンジンをイメージしている物と思われる。つまりZ1クランクとボアアップにて1000ccへとスープアップされた耐久レースエンジンパーツでキャブは京浜のCRと思われる。ベースエンジンは研二の物を使用し、Z1クランク、スリーブとモリワキピストン、モリワキのハイカム、ビックバルブ、を移植した形となっていると思われる(慣らしを行わずセロヨン全開テストを研二にさせているのでスリーブごと移植したか、シリンダーブロックごと移植した可能性が高い)。余談だが、作品中で研二がヘルメットを被るシーンがはっきりと描かれているのは、この回のみ。(おやっさんに“被れ!”と言われ、仕方なく)
- そしてフレームにも補強が施され、APロッキード製のブレーキキャリパーやマグネシウム製のホイールへの換装、さらにはフロントフォーク変更やタイヤサイズ変更まで行われている。
- 馬力表示はされていないが、キングとのバトル中に13Bターボサイドポートの400PS仕様RX-7(FC3S)を直線で抜き去るところから見てもモリワキモンスターの150PSと同じようなパワーを持っていると思われる。
- また研二は何があってもノーヘルであり、しかし高速道路で転倒してもカスリ傷で済んでしまうという強運の持ち主(但し、このノーヘルに関しては、設定上「ヘルメットを被っている」のだが、表情などがわかりにくいので、絵に描いてないだけという説もある)。
- 登場キャラの男性陣は研二以外みな人相は悪いが根は良い人タイプ、女性陣は大抵が今で言う「オネー系」であり、これは楠氏の好みによるものと思われる。
- 尚、ZII(関東では"ゼッツー"、関西では"RS"と呼ばれた)は川崎の輸出専用モデルZ900(社内記号:Z1)の国内版として当時の国内規制に準じた排気量750ccエンジンとして登場したバイク。実際のZIIを知らない世代の若者はこのマンガにより、「ZIIは乗りにくいがテクニックさえあれば最新のバイク以上に速く走る事ができる」という先入観を持ってしまった。
- 作品後半のバトル相手として登場する、CBX400Fを駆る「皆川るみ子」は、漫画連載当時の筑波サーキットS-80クラスでランキング2位だった「及川ルイ子」がモデルである事は、レースファンの間では周知の事実。本人も作中のキャラ以上に美人であったため、バイク雑誌以外のメディアからも多数取り上げられた。
- 作品の実質上のラストは、「スターダストブラザーズ」のバトル終了であった見方をするファンが多い。事実、それ以降の内容はパッとしないものが多く、最終話も何とも味気ない終わり方である。
- 作品のターニングポイントである「水曜日のシンデレラ」「首都高の青い鳥」以降の内容は、「乗り手とマシンの対話」「チューナーのマシンへの思い入れ」など、現在も連載中の「湾岸ミッドナイト」に通じる、まさに「乗り手と、弄り手の心理」を描いた画期的作品であった。
- 作品連載当時は「バイクブーム全盛期」であり、作中に登場する峠や首都高といった場所に多くのバイク乗りが出没した。
- この作品以降、何度目かの「空冷4気筒ブーム」が起き、長きにわたって登場車両が高額取引されることとなり、作中のカラーリングを真似た「あいララ仕様」「研二カラー」などのカスタム車両が雑誌を賑やかした。
- 作品後半には、作者への個人スポンサーであった「ベルミーコーヒー」(2004年にカネボウの事業整理で廃盤)が作中にたびたび登場する。
実写映画版[]
- 1983年12月24日公開。
スタッフ[]
- 監督:井上梅次
- 製作:ジャニー喜多川、小倉斉、瀬島光雄
- 原作:楠みちはる(講談社「週刊少年マガジン」連載)
- 脚本:井上梅次
- 撮影:小野正
- 美術:松井敏行
- 編集:菅野順吉
- 録音:井家真紀夫
- 照明:小中健二郎
- 音楽:渡辺敏行
- 助監督:崎田憲一
- 振付:西条満
- プロデューサー:野木勉
- プロデューサー補:筒井善範
協力[]
- 講談社
企画制作[]
- 株式会社東宝映画
- ジャニーズ事務所
出演者[]
- 錦織一清(菱木研二役)
- 東山紀之(ハマの暴走族「キャッツ」のリーダー・町田ひろし役)
- 植草克秀(太田一夫役)
- 秋吉久美子(白川由紀子役)
- 三原順子(相沢リエ役)
- 樹由美子(現・麻生祐未)(佐藤友美役)
- 鈴木幸恵(「セイントフォー」のメンバー)(マミちゃん役)
- 渡辺千秋(新名じゅん役)
- 森次晃嗣(相沢卓役)
- 麻丘あゆ美(耀子役)
- 篠田三郎(島英彦役)
- 坂上二郎(菱木源三役)
- 野中マリ子(妻・菱木よね役)
- 田中宏孔(村野一郎役)
- すのうち滋之(劇中のハマの暴走族「キャッツ」のタンク役)
- 優ひかり
- 車だん吉
- 磯村みどり
- 二瓶正也
- 三好圭一
- イーグルス
- ジャニーズJr.(オープニングテロップに名前が出たメンバー)
- 劇中のハマの暴走族「キャッツ」のメンバー
- 加藤武史(ハイエナ役)
- 河村直人(スコッチ役)
- 平本淳也(スネーク役)
- 牧村稔(バーボン役)
- 木暮毅(ボクサーの松本吾郎役)
- 遠藤直人(生徒役)
- 武口明(現・武口明良)(生徒役)
- 東昌孝
- 劇中のハマの暴走族「キャッツ」のメンバー
- ジャニーズJr.(テロップに名前の出ていないエキストラメンバー)
|
|
【備考】 Jr.出演者の内、平本・河村・牧村・内海・鈴木・中本・前田は「ジャPAニーズ・ジュニア」、守屋は男闘呼組の前身グループ「東京」、遠藤・正木・柳沢は「忍者」、東は「スケートボーイズ」、田中は「平家派」へと、それぞれ参加している。
アニメ映画版[]
「あいつとララバイ 水曜日のシンデレラ」 1987年8月1日公開。併映は「バリバリ伝説」。
スタッフ[]
- 監督:高橋資祐
- 演出:横山広行
- 製作:加藤勝久 古川博三
- プロデューサー:鈴木良平 神立勝一 五十嵐隆夫 布川ゆうじ
- 企画:平賀純男 内田勝 大渕順雄
- 原作:楠みちはる
- 脚本:渡邊由自
- 撮影監督:光枝弘明
- 美術監督:中村光毅
- 編集:森田編集室 坂本雅紀 森田清次
- 音楽:門倉聡 工藤隆 山本健司
- 音楽プロデューサー:金子秀昭
声の出演[]
- 堀川亮
- 玉川紗己子
- 島本須美
- 近石真介
- 神代智恵
- 佐藤雅道
- 島田敏
- 伊倉一恵
- 松本保典
- 土方優人
- 辻谷耕史
- 中多和宏
- 目黒祐一
- 横田みはる
テンプレート:Manga-stub
このページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事はあいつとララバイにあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。 |