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もののけ姫』(もののけひめ

  1. 1980年、1993年に宮崎駿がアニメ企画案のイメージボードとして出版した絵本。ISBN 4198600406
  2. 宮崎駿監督によるスタジオジブリ長編アニメーション映画作品。1997年7月12日公開。

アニメ映画『もののけ姫』 編集

森の獣たちと人間の戦いを描いたファンタジー。

テンプレート:ネタバレ

あらすじ編集

エミシの隠れ里に住む少年アシタカは、村を襲った「タタリガミ」にかけられた呪いを解くために、遠く西方の神々の棲む森を目指して旅立つ。そこで彼が見たものは、森を破壊しながら必死に生きるタタラ製鉄集団と、森を守る獣たち、そして山犬として生きる少女サンであった。やがて、森を守ろうとする森の獣たちと、獣たちの長である「シシ神」を殺そうとする人間たちの壮絶な戦いが始まる。

概要 編集

紅の豚』以来5年ぶりの宮崎アニメであり、この頃になると、子供向けなどというイメージの強くなっていた宮崎アニメではあるが、非常に激しい暴力描写がみられるこの作品に、驚いたものも少なくはなかった。予告編にもこのような描写を取り入れている。また、『風の谷のナウシカ』と比較されることがよくある。

キャッチコピー編集

生きろ。糸井重里

登場人物編集

アシタカ:松田洋治
北の地に隠れ住むエミシの一族の唯一の若者。十六歳。タタリガミと化したナゴの襲撃から村を守って戦った際に、タタリガミから死の呪いをかけられる。そして自身にかけられた呪いの謎を解くために西の国へ旅立つ。寡黙で正義感が強いが、閉鎖的な隠れ里で育ったせいか世間知らずな一面もある。呪われた腕は彼の命を徐々に奪っていく。英語版では、日本語版ではあまり言及されていなかった、サンに対しての恋心がはっきりとセリフに表れている。
サン:石田ゆり子
人間であるが、山犬であるモロに育てられた少女。十四歳。かつて生まれて間もない頃に、モロの牙から逃れようとした人間に捨てられた。あくまでも山犬としての自覚と誇りを持っており、自分は山犬だと思っている。シシ神の森を破壊しようとするエボシを始めとする人間たちを激しく憎んでいる。
エボシ:田中裕子
タタラ場のリーダー。製鉄に必要な木材を確保して自分たちの生活を守るために、シシ神の森を破壊し、シシ神を殺そうとする。敵に対しては容赦ないが、売られた女たちを保護してタタラ場で女たちに仕事を与えていたり、皮膚病(恐らくハンセン病)に冒された人々の世話をする等人徳があり、人々から慕われている。
ジコ坊:小林薫
謎の組織・師匠連からの使者。エボシに対し、タタラ場の村一帯や森の正式な統治を認めることを条件に、彼女たちをシシ神の首を手に入れるために利用しようと目論む。組織を介せば天皇にも通じる権限を持っている。
モロ:美輪明宏
山犬の母神。毛は白色で尾が2つある。サンの育ての親。森を破壊するエボシを激しく憎んでおり、エボシの命を狙っている。自らの娘として育てたサンを深く愛している。
乙事主:森繁久彌
猪の神。エボシが森を焼き仲間のナゴをタタリガミにしたことを激しく憎んでおり、一族総出でシシ神の森を守るために出陣する。モロの一族とは対立しているが、森を侵す人間を憎んでいる点では一致している。一族が小型化し知性が低下している状況に焦りを感じている。
シシ神
森の神。立派な角を持ったシカのような姿。デイダラボッチに変身する。生と死を司る森の生命の根源。
カヤ:石田ゆり子
アシタカの里の娘。アシタカが旅に出る際お守りとして、手製の玉の小刀を渡した。
甲六:西村雅彦
米を運んでタタラ場に戻る途中モロの一族に襲われ、河に落ちて負傷する。そこを偶然通りがかったアシタカに助けられ、運良くタタラ場に帰ることができた。
ゴンザ:上條恒彦
エボシの部下。よそ者に対して否定的。エボシへの忠誠心は強いが、いつも威張ってばかりいる。
トキ:島本須美
甲六の女房。しっかり者で夫を尻に敷いている。タタラ場の女たちのリーダー的存在。
山犬:渡辺哲
サンの兄弟でモロの子供たち。2頭おりどちらも毛色は母親と同じで白色。サンとは強い仲間意識で結ばれている。戦闘時にはサンを背に乗せて走る。
ヒイさま:森光子
アシタカの村の老巫女。アシタカの呪いと行く末を占い、アシタカに道を示す。
ナゴ:佐藤允
乙事主の一族の者で、タタラ場近辺の山の主であった。エボシに撃たれ自分が守る山を切り開かれたことへの怨念からタタリガミと化して東北へ逃げた。アシタカに死の呪いをかけた張本人。
牛飼いの長:名古屋章
甲六の上司にあたる。牛飼いたちを纏める統率力を持つ。
病者の長:飯沼彗
タタラ場の外れにある庭で石火矢を造る皮膚病患者たちの長。
キヨ:香月弥生
タタラ場の女たちの一人で夫を山犬に食い殺されている。エボシを昏倒させたアシタカに銃口を向けるが思い切れず、止められた拍子に石火矢を誤射してしまい、アシタカに重傷を負わせる。
ジバシリ:冷泉公裕
森について熟知している凄腕の猟師。
牛飼い:近藤芳正坂本あきら斉藤志郎菅原大吉・冷泉公裕
その他:山本道子塚本景子中村彰男山本郁子松山鷹志小林和矢松田健浩藤貴子藤巻直哉ほか

設定編集

時代背景
室町時代後期。蝦夷の老人から大和の王=天皇将軍に力がない事が語られており、また方々で小規模な戦闘が行われているところから、かなり戦国期に近い時代、もしくは戦国期前期と思われる。一方、兵農分離が進み合戦が大規模化する一方、身分が固定し社会が安定した戦国後期のような状況にはなく、地侍、たたら衆等が各々独自に武装して争っている。
シシ神の森
現在の日本列島を覆う森林は、古代中世期以後人間の手によって作られた物(『里山』)である(同じジブリ作品である『おもひでぽろぽろ』や『平成狸合戦ぽんぽこ』でも言及されている)。人間の手の入っていない純粋に自然によって作られた森林は現在では白神山地などに僅かに残されるのみであり、いずれも世界遺産級の貴重さである。シシ神の森は人間の手が入っていなかった太古の原生林の姿を描いたものだと思われる。このような自然の森は、中世の終わりまでに事実上日本列島から消滅している。
もののけ
人の手の入らぬ森に対する人々の畏れ、そして物理的な自然の猛威を形にしたものと思われる。こうした森への畏れ、信仰は自然の森が日本から消滅していった時代、急速に失われていった。神殺しとはそれを象徴的に描いたものと思われる。
たたら場
山奥で木炭砂鉄から鉄を作る製鉄集団。砂鉄を取る為には山を崩し、木炭を作る為には大量の樹木を伐採する必要があるため、生活のために森林を破壊せざるをえない。作中のエボシ製鉄集団はそのような事情から森を切り開き、森の獣たちと対立したものと思われる。たたら製鉄に関しては島根県安来市和鋼博物館の展示物が最も充実している。
石火矢
中国大陸から渡来したと思われる原始的な銃火器。世界で最初に火薬を発明した中国人は早い段階から火薬を利用した兵器を発明しており、作中の石火矢はこれが日本にも渡来したものと考えられる。火縄銃の戦国期の普及速度は世界でも例を見ないほど凄まじかったとされ、火縄銃に先行する形で何らかの銃器があったとしても不思議はない、との仮説に基づく。作中の石火矢はそれを根拠としていると思われる。エボシはこれを改良させて軽量化、威力の強化に成功している。
蝦夷
古代、大和朝廷の支配に抵抗した民族。縄文人の子孫とされ、村長の祭事を行う際の衣装や、東北のマタギにも似たアシタカの衣装などから、北海道のアイヌと関係が深い人々を想定していると思われる。作中では東北地方の山奥に潜み、ひっそりと暮らしているものと思われる。
ヤックル
アシタカが駆る架空の家畜。『シュナの旅』にも登場している。

スタッフ・キャスト編集

主題歌編集

「もののけ姫」
作詞:宮崎駿/作曲:久石譲
歌:米良美一

興行と賞歴編集

興行収入193億円、観客動員数1420万人を記録し、当時の日本映画の歴代興行収入第1位となった。2007年現在も、千と千尋の神隠し(1位)・ハウルの動く城(2位)・もののけ姫(3位)と、日本国内の興行収入歴代記録第3位を維持している。主題歌『もののけ姫』のCDシングルとサウンドトラックは共に50万枚以上を売り上げた。

1999年1月22日金曜ロードショーで初のTV放送がされ35.1%の視聴率を記録した。

  • 第1回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞
  • 第52回毎日映画コンクール日本映画大賞
  • 第21回日本アカデミー賞最優秀作品賞
  • 朝日デジタルエンターテイメント大賞・シアター部門賞
  • アニメーション神戸'97・部門賞(演出部門)、部門賞(デジタル技術部門)、アワード(劇場映画の部)
  • マルチメディアグランプリ'97・MMCA特別賞
  • 第15回ゴールデングロス賞・最優秀金賞、特別功労大賞
  • 報知映画賞・特別賞
  • 日刊スポーツ映画大賞・監督賞
  • 石原裕次郎賞
  • 第39回毎日芸術賞・映像・映画部門
  • エランドール賞・特別賞
  • 日本映画ペンクラブ・97年度ベスト5日本映画部門1位
  • ブルーリボン賞・特別賞
  • おおさか映画祭・特別賞
  • 高崎映画祭・最優秀監督賞
  • 映画鑑賞団体全国連絡会議・日本映画作品賞
  • 文化庁優秀映画・優秀映画作品賞
  • 読売映画・演劇広告賞 優秀賞
  • 日経優秀製品・サービス賞、最優秀賞、日本経済新聞賞
  • 日本レコード大賞・作曲賞、アルバム企画賞(サントラ)
  • 日本のメディア芸術100選アニメ部門選出

補足編集

製作事情編集

  • これまで宮崎駿の監督した長編アニメは、おおよそ5万~7万枚ほどの作画枚数で製作されてきたが、本作では一挙に14万枚以上もの枚数が使用された。宮崎は「ジブリを使いつぶす」ほどの覚悟で桁外れの労力と物量を本作に投入したというが、以後の『千と千尋の神隠し』(約11.2万枚)や『ハウルの動く城』(約14.8万枚)にもほぼ同規模(或いはそれ以上)のコストが費やされており、結果的にはスタジオジブリの製作体制そのものを刷新する形となった。
  • スタジオジブリ最後のセル画絵の具を使った作品となった。この作品でもサンの顔に付いた血糊やデイダラボッチを3DCGで作った他画面の多重合成も行われ、製作スケジュールの追い込みでデジタル彩色も一部使用されていたが、以降のジブリ作品は線画をコンピュータに取り込み、デジタル彩色の手法を用いるフルデジタル処理で製作されるようになった。
  • 農業以外を生業とする庶民を描く日本の中世観は、歴史学者網野善彦の影響であると言われる。また、タタラ製鉄のメッカ、島根県に取材し和鋼博物館などを訪問している。

キャッチコピー編集

完成までには糸井と鈴木敏夫プロデューサーの間で激しいやり取りがあった。没になったコピー案は50本近くあったという。主な候補は「だいじなものは、ありますか。」「おまえは、まぶしい。」「昔々は、今の今。」「死ぬのと、生きるの、どっちが好きだ。」「死ぬなっ。」などがある。[1]

DVD編集

現在発売されているDVDには、日本語英語フランス語広東語ドイツ語イタリア語スペイン語ポルトガル語の8ヶ国語が収録されている。

関連項目編集

ファイル:もののけ姫の森.JPG

脚注編集

  1. 2007年6月4日ゲツヨル!」(日本テレビ

外部リンク編集

テンプレート:先代次代

テンプレート:スタジオジブリ


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