『アナザへヴン』は、角川書店から刊行されている飯田譲治と梓河人による ホラー小説。またはそれを原作として2000年に公開された映画。その作品群は「アナザヘヴン・コンプレックス」(複合体の意)と総称される。
映画「アナザへヴン」と世界観を共有した『アナザヘヴン~eclipse~』がテレビドラマとして放送された。さらにゲームソフト『アナザヘヴン~memory of those days~』も発売されている。SFホラーというジャンルで人気を博した。映画は主演の江口洋介と、木村敦役の柏原崇とのキスシーンがあることでも話題となった。
映画版・ドラマ版の続編を描いたサスペンス小説『アナザへヴン2』がある。
あらすじ[]
殺害した被害者の脳を料理し、食べるという猟奇殺人が起こる。ベテラン刑事、飛鷹健一郎とその部下、早瀬学は犯人を追うが、それをあざ笑うかのように次々と犯行は繰り返されていく。 ある被害者が書いた犯人の似顔絵を元についに犯人を逮捕するが、犯人の頭には脳が入っていなかったのだった。 事件は解決したと思った矢先、また同じ手口の殺人事件が発生し、早瀬は「犯人は人間ではないのではないか」という疑問を抱き始める。
小説[]
1995年から『小説ASUKA』(角川書店)で連載された。連載時の挿絵は茶屋町勝呂。
- アナザヘヴン 上 (1999年12月、ISBN 4043493010)
- アナザヘヴン 下 (1999年12月、ISBN 4043493029)
映画[]
『アナザヘヴン』は、2000年4月29日に日本で製作・全国松竹系で公開されたSFホラー映画。上映時間131分。PG-12版とR-15版(ノーカット)が公開。映像ソフトはR-15指定(ノーカット)。
キャスト[]
- 江口洋介 (早瀬マナブ)
- 市川実和子(大庭朝子)
- 松雪泰子(笹本美奈)
- 柏原崇(木村敦)
- 加藤晴彦(幕田ユウジ)
- 原田芳雄(飛鷹健一郎)
- 井田州彦(両角刑事)
- 岡元夕紀子(柏木千鶴)
- 六平直政(坂木警部)
- 柄本明(赤城幸造)
テレビドラマ[]
『アナザヘヴン~eclipse~』は、テレビ朝日系列の木曜日9時枠で放映されたテレビドラマ。2000年4月20日から2000年6月29日。全11回。
2008年7月25日よりCS放送局・チャンネルNECOにて放送予定。
キャスト[]
- 大沢たかお(皆月悟郎)
- 本上まなみ(大石紀子)
- 加藤晴彦(幕田ユウジ)
- 室井滋(綿引亜希美)
- 江口洋介(早瀬マナブ)
- 原田芳雄(飛鷹健一郎)
- 佐伯日菜子(矢野祥子)
- 井田州彦 (両角刑事)
- 六平直政(坂木)
- 岡元夕紀子(柏木千鶴、山辺綾子)
- 新山千春(篠原加奈子)
- 松重豊(稲富圭一)
- 柴咲コウ(木内ルミ)
- 松下好(須賀静江)
- 谷口智(吉村香織)
- 美木良介(大貫太一)
- 橋本さとし(小山昌)
- 矢島健一(峰村順一)
- 永山たかし(樋口武典)
- とよた真帆(掛川知美)
- 日野陽仁(榊原敦夫)
- 塩屋俊(池上)
- 佐藤誓(戸津山統五郎)
- 篠井英介(黒川忠夫)
スタッフ[]
- 脚本:飯田譲治
- 監督:飯田譲治、舞原賢三、瀧川治水、下山天
- 企画:梅沢道彦(テレビ朝日)、河井真也(アナザヘヴンカンパニー)
- プロデューサー:佐々木基(テレビ朝日)、谷古浩子(アナザヘヴンカンパニー)
- 共同プロデューサー:山下泰英(アナザヘヴンカンパニー)
- 協力プロデューサー:豊田俊穂(オフィス・トゥー・ワン)、遠田孝一(MMJ)
- 音楽:岩代太郎
- 技術協力:テイクシステムズ、神宮前スタジオ、多摩スタジオ
- 美術協力:東京美工
- 協力:オフィス・トゥー・ワン、ポニーキャニオン、MMJ、COCOON、ナンバーワンプロモーション
- 制作:テレビ朝日、アナザヘヴンカンパニー
サブタイトル[]
- 1st moon 事件は満月の夜に始まった
- 2nd moon 逃亡
- 3rd moon 胸騒ぎの恋の予感
- 4th moon 結ばれない2人…涙のキス
- 5th moon 第2章始動!今夜全ての謎が
- 6th moon もう逢えない…トラウマの恋
- 7th moon ストーカーとの再会壊れた愛
- 8th moon 愛し続けた真の目的涙の復讐
- 9th moon 悟郎の子供が欲しい涙の銃声
- 10th moon 裏切りの罠…愛する仲間の死
- 11th moon 衝撃の結末…さよなら悟郎…
外部リンク[]
作品の変遷[]
テンプレート:前後番組
ゲーム[]
テンプレート:コンピュータゲーム 『アナザヘヴン~memory of those days~』は、2000年12月21日にオメガ・ミコットから発売されたワンダースワン/ワンダースワンカラー両対応ゲームソフト。
概要[]
「ノベルシアター」と銘打ったサウンドノベル。このジャンル名は、同じワンダースワンで先行して発売されていた『リング∞(インフィニティ)』や『TERRORS』に倣ったためで、システムや画面のデザインはまったく異なっている。
映画やドラマと世界観を共有しつつ、オリジナルストーリーが展開される外伝的作品。早瀬マナブ、木村敦、飛鷹健一郎、皆月悟郎といった映画版・ドラマ版の主人公たちも登場する。
シナリオはテレビ朝日系列の番組『D's Garage21』内で一般公募されたもので、執筆はあすか正太。さらに飯田譲治が自ら監修を担当している。
システム面では、フローチャートを参照し、章の間を行き来できる機能が採用されているものの、ストーリーの分岐条件がかなり複雑なため、攻略の難度は高い部類に属する。なお、読み戻し機能は存在しない。
ストーリー[]
テンプレート:ネタバレ 人を殺し、その脳を食べるという「マッドクック」事件が人々の耳目を驚かす中、もう一つの連続猟奇殺人事件が密かに進行していた。連続放火殺人――「パイロマニア」事件。現場の状況から、人体が自然に発火したとしか考えられないという奇怪な殺人事件だ。しかし、これが「マッドクック」事件と相俟って市民にパニックを招きかねないと考えた上層部は、殺人の絡まない単純な放火として発表。かくして警視庁は「マッドクック」事件の解決に総力を挙げて取り組むこととなり、「パイロマニア」事件の捜査は、ごく少数の人間の手に委ねられた。
「パイロマニア」事件を担当する長谷川浩一郎刑事は、相棒の西谷夏子刑事とともに捜査を進めるうち、「マッドクック」事件との奇妙な共通点を発見する。さらに、浩一郎のプライベートなメール友達であるマコトとおぼしき人物が「パイロマニア」に殺害されてしまう。のちにマコトからメールが来たことから犠牲者は別人と分かり、ひとまず安堵する浩一郎。しかしその後も、事件は浩一郎やマコトが加入するメーリングリストのメンバーを中心に進行していく。いったい「パイロマニア」とは何者なのか? どのようにして人を焼き殺しているのか? そして、「パイロマニア」と浩一郎の間には、何らかの接点があるのだろうか?
登場人物[]
- 長谷川浩一郎
- 本編の主人公。「パイロマニア」事件を担当する杉並署の刑事(階級は巡査部長)。基本的に能天気ながら、正義感が強く、他人への思いやりに溢れた性格。元々キャリア組だったが、かつてある事件で関係者をかばって虚偽の報告をしたことが露見し、将来を棒に振ってしまった。とはいえ、当人はそれを悔やんではいない。
- 西谷夏子
- 「パイロマニア」事件で浩一郎とコンビを組む警視庁捜査一課の刑事(階級は警部補)であり、キャリア組。意思の強さと行動力を兼ね備えており、友人たちが「パイロマニア」事件の犠牲となったことで動揺する浩一郎を励まし、捜査を進めていく。浩一郎とは同期で、大学時代からの知り合いでもある。童顔を気にしているらしく、度の入っていない眼鏡をかけている。
- UG
- 浩一郎のメール友達(ただし、浩一郎は自分の刑事という職業を伏せている)。ハンドルは「アンダーグラウンド」の意味だという。警察無線の盗聴を趣味とする犯罪マニアだが、警察にはむしろ親近感を抱いている様子である。しばしば浩一郎に有益な裏情報を提供してくれる。その正体は、映画版・ドラマ版にも登場する幕田ユウジ。
- アラタ
- 浩一郎が加入するメーリングリストのメンバー。人当たりのよい男子大学生で、奇抜なファッションセンスの持ち主。かつて浩一郎がキャリアを犠牲にしてかばったのがこのアラタで、それ以来親しく付き合っている。その事件からしばらく人間不信のため荒んでいたが、今は明るさを取り戻しているように見える。
- マコト
- 浩一郎が加入するメーリングリストのメンバー。浩一郎とはメーリングリスト以外でもメールのやり取りがあるが、控えめな性格であること以外、性別も含めてその素性は一切不明。東京に出てくるマコトと会う約束をしたことで、浩一郎は個人的にも「パイロマニア」事件に巻き込まれていく。
- 早瀬マナブ
- 映画版の主人公。上司の飛鷹健一郎とともに「マッドクック」を追う刑事。浩一郎が彼との会話から「パイロマニア」事件の真相について重要な示唆を得るなど、カメオ出演の面々の中ではもっとも存在感のある人物といえる。
- 木村敦
- 「マッドクック」に殺されかけた被害者にして、その後に新たな「マッドクック」となった青年。その膂力は人間離れしており、常軌を逸した言動で刑事たちを翻弄する。展開次第で、浩一郎はこの危険な男と単身対峙することとなる。
- ???
- 浩一郎が見る夢の中に出てくる少女。子供の姿の浩一郎と一緒にタイムカプセルを埋めている。幼稚園時代、彼女が花瓶を割って保母に叱られそうになっていたところを、浩一郎がかばったことがきっかけで親しくなったらしい。しかし、浩一郎はその名前をどうしても思い出すことができない。
漫画[]
小野双葉の手により描かれ、映画版のコミカライズとして2000年に角川書店より発売された。しかし、絶版されてしまっている。
関連イベント[]
- ネオジオワールド東京ベイサイド
- ウォークスルーホラーアトラクション「アナザヘヴン~Live~」
- 映画版の猟奇殺人の現場を回り、最後は3Dサウンドで恐怖を体験する。
- ジョイポリス
- 3Dサウンドホラーアトラクション「アナザヘヴン~触れてはいけない恐怖~」
- 殺人鬼の女性にゲストが襲われるオリジナルストーリー。映画版が原作。
テンプレート:Movie-stub
テンプレート:Tv-stub
このページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事はアナザヘヴンにあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。 |