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テンプレート:Otheruses テンプレート:告知イノセンス』 (INNOCENCE) は2004年3月6日に全国東宝洋画系で公開されたアニメーション映画Production I.G徳間書店日本テレビ電通ディズニー東宝三菱商事の提携作品。キャッチコピーは「イノセンス、それはいのち」(糸井重里)。

英題は、「GHOST IN THE SHELL 2: INNOCENCE」。

2004年、第25回日本SF大賞受賞。第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。これは日本のアニメ映画として史上初である。

テンプレート:ネタバレ

ストーリー 編集

草薙素子(通称「少佐」)の失踪から4年後の2032年、少女型の愛玩用アンドロイド(女性型なので正確にはガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9課で捜査を担当することになり、公安9課のメンバーであるバトーは、新しい相棒のトグサとともに捜査に向かう。

解説 編集

押井守がアニメーションとしては約9年ぶりに公開した大作。作品名は当初『攻殻機動隊2』だったが、プロデューサー鈴木敏夫の提案により現在の『イノセンス』となった。主題歌である「Follow Me」を提案したのも鈴木である。

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の続編にあたる。前作で失踪した草薙素子(くさなぎ もとこ)の代わりにバトーが主役となっている。ストーリーの下敷きとなっているのは漫画『攻殻機動隊』の第6話「ROBOT RONDO」[1]

原作および前作のタイトルでもある『攻殻機動隊』シリーズとは電脳化義体化などの基本設定など、切っても切り離せない関係にあるが、国内展開上は『攻殻機動隊』シリーズの新作である事は意図して強調されず、ほぼ独立した作品かのようにプロモーションがなされた。物語展開上、前作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の経緯が前日談としてあるため、難解とされる本作の内容以前に、前提である物語・設定を知らずに初めて観た観客にはいささか不親切であり、さらに理解の困難を招いたという評価もある。なお、DVDには、前作等についての説明映像がある。

アメリカのメジャー映画会社は、『イノセンス』製作にあたって押井との交渉の席で、大衆受けを狙わない姿勢や、話を聞くだけではにわかに理解できない作品内容について、難色を示した。それでも説得のため熱弁を振るう押井に、幹部全員が退いてしまい資金捻出を渋ったという。しかし、前作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』がアメリカでヒットしていた事もあり、一定の興行収入を得られるとみた映画会社は、『GHOST IN THE SHELL 2』と明記することを条件として最終的に契約を結んだ。

プロデューサーの鈴木敏夫は、本作のメインキャストに大物俳優を起用を立案していて、草薙素子役には山口智子を挙げていた。しかし、押井と山口の反対により、田中敦子が続投した。

また、DVD発売時のTVCMには、本作品に出演していない藤原竜也宮崎あおいが起用されている。

映像 編集

押井守は、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の際に既にアニメ映画の方法論は決したとして、アニメをこれ以上作ろうとは考えていなかったが、『Avalon』でアニメの方法論を実写に取り込み、実写の方法論をアニメに持ち込んでこの映画を制作しようと考えた。

即ち、3Dモデリングされた空間カメラを持ち込み、それを切り出して(ロケーション・ハンティング)映像を制作しようと考えたのである。

だが3D担当者はそれは不可能であると言い、テスト段階のコンビニエンスストアのシーンで想像以上のデータ量の前にその目論見は崩れ去った。現に公開されたものでもこのシーンは分割してレンダリングしたものを後に合成するという方法でレンダリング時間を短縮している。

しかし本編映像、特に中盤の大祭のシーンは驚くべき物量で構成されており観衆を驚嘆させた。カメラマップと呼ばれる手法を利用した映像となっている。

また、アニメはキャラクターをセルで描くため、画面をセル画が占拠すると画面内の情報量が失われがちだが、江面久を筆頭とするエフェクトチームがAfterEffects等を駆使してそれに対処し、処理速度が停滞すればPower MacG5の大量導入でこれに対処した。

アニメ映画では初めて、全編にわたってDomino[2]による映像処理が施されている。

また、前作のコンピュータ画面が「緑」で統一されていたのに対し、今作では「橙」で統一されていたり、前作の舞台が「夏」だったのに対して「冬」だったりと映像に差別化が見られる。大きく見える場所以外にも様々な工夫が凝らされている。

なお随所に工夫を凝らした絵作りであったが、それによってセル画が浮いて見えるという評価もあった。これについて押井守は認識していたが、CGによって描きこまれたディテールを損なうフィッティングをあえて行わなかった事を後のインタビューで述べている。また実際必要とされる所では用いられている。バトーの姿はセル画とCGの両方で描かれている。

IMAXシアターで公開された際にはオープニングのガイノイドの眼球に表示される文字列など細部を見る事ができた。

音響 編集

以前より劇伴作曲家として押井作品に関わってきていた川井憲次による、本作の第2のメインテーマともいえる「傀儡謡」のコーラスは75人の民謡歌手を集め(前作では3人)、更にクライマックスに使用された傀儡謡ではコーラスを4回収録(延べ300人)し、それを同時に流す事によって音に厚みを持たせた。

劇中で使用されたオルゴールの曲は、予めオルゴールから機械録音しておいたものを、大谷石採掘場跡の地下空間で再生し、再度録音したものが使われた。これにより曲に独特の音響が得られた。

また音響効果編集は『アヴァロン』同様スカイウォーカー・サウンドで行なわれ、迫力の音響世界が創造された。サウンドデザインを担当したランディ・トムは『シュレック』やピクサー作品などCGアニメの効果音製作を多数手がけ、『Mr.インクレディブル』でアカデミー賞を受賞している。この関与は「プリミックス」であり、音楽や台詞素材を含む整音は日本国内で行なわれている。

作品世界 編集

テンプレート:独自研究 本作品は士郎正宗の原作によるものではあるが、パンフレットおよび本編冒頭で引用されている通り、ヴィリエ・ド・リラダン未来のイヴ』(邦訳は創元社・刊)の強い影響下にある。台詞は、斎藤緑雨釈迦ロマン・ロラン世阿弥聖書、孔子、ミルトン他からの引用が多用され、そもそも、台詞全体がなぜかくも膨大な引用から成り立っているかの理由も『未来のイヴ』において説明されているがテンプレート:要出典、前掲書では機械人形を作る理由は所与の問題であったのに対して、本作品では「人間はなぜ自分の似姿を、それもその理想型において創造しようとするのか」と、さらに根源的に問いかけている。

作品中で語られるこうした人形論には、澁澤龍彦の影響が強く現れている。オープニングの人形製造工程は、澁澤龍彦が紹介したハンス・ベルメール球体関節人形へのオマージュになっており、特に2対の脚が胴体で繋がって見える映像(実は水面反射でそう見えるだけなのだが)は、ハンス・ベルメールに特長的な畸形人形そのものである。エンディングロールには球体間接人形を作製している四谷シモンの名も見られる。

とはいえ、押井守本人がインタビューや関連書籍で何度も語っているように、この映画は「究極の身体論」を掲げており、人形を語るだけでは作品は表面を撫でただけになるだろう。

バトーとトグサが捜査の中で出会う多くの人物達は、天才クラッカーから少女に至るまで、それぞれに身体に対する確固たる哲学や主張を持っており、引用がちりばめられた会話によって身体論は複雑になっていく。だが、どの主張も一見して筋が通っている反面、理論はそれぞれの個人的感情を越えるに至っていない。他者の思想を肯定することも否定することもできないまま、主人公であるバトーにも答えは見出せず、ただひたすらに個人的な葛藤や職務と戦い続けるばかりである。

バトーが「守護天使」と呼んで特別な感情を抱いている草薙素子との数少ない会話においても、「個人を超越してしまった存在である素子という他者」という定義の難しい存在とのつながりへの淡い期待が残る程度であり、それによってバトーの心が救われたかどうかは最後まで定かでない。しかし、押井守が監督した映画の中で、ここまで主人公が他者への期待や依存を露わにする場面も珍しいとも言え、それは押井が常に映画の中で疑いを投げかけてきた「巨大であやふやな他者」への仄かな期待と受け取れるかもしれない。

「身体」と言う言葉と「人体の理想系を模した人形」、そしてその2つの中間にある「サイボーグ」という三つのモチーフの対比は、それぞれの登場人物の様々な生活風景や台詞によって深く表現され、まさしくこの映画は「人は何を寄る辺に生きていこうとしているのか」という現代が抱える魂の問題に深く踏み込んでいる。

結果的に、本作品は士郎正宗の原作における『攻殻1.5』『攻殻2』(すなわち『攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』)のように、前作で消息を絶った素子が再び姿を表し、主役として大活躍するような(乱暴な言い方をすれば「前作を見た観客の多くが望むような」)作品にはならなかった。押井によれば、終わった後の今の目で見ればそのような展開でも良かったかもしれないと思えるが、当時は自然と本作品で選択した方向性以外に考えられなかったと語っている。また、本作品で直接は描かれなかった「その後の素子」に関しては、テーマとして容を変えて押井の次回作以降で語られるだろうとしている(必ずしも続編としての『攻殻3』を製作するという意味ではない)。

キャスト 編集

スタッフ 編集

小説 編集

2004年山田正紀によって前日談に当たる小説「イノセンス After The Long Goodbye」が発表される。

脚注 編集

  1. なお、漫画版第7話は本作に登場する択捉経済特区が舞台である。
  2. plaza.bunka.go.jp

関連項目 編集

外部リンク 編集

テンプレート:攻殻機動隊


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