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仁義の墓場 』(じんぎのはかば)は、1975年東映が制作したヤクザ映画。監督:深作欣二、脚本:鴨井達比古松田寛夫神波史男、主演:渡哲也。94分。藤田五郎の同名小説が原作。

概要 編集

日活アクションスターとして活躍した渡哲也の、東映主演第一作。監督は1973年から『仁義なき戦い』シリーズで大センセーションを巻き起こしていた深作欣二で、監督の起用は渡本人の希望だったという。鴨井の第一稿を元に松田寛夫神波史男が筆を入れた。

実在のヤクザ石川力夫の生涯を描いた作品で、『仁義なき戦い』などと並んで実録路線に目される。石川の破天荒かつ破滅的な生き様を凄惨な暴力描写を通して描き、公開当時の興行成績は振るわなかったが、後にその一種異様な迫力が評価されるようになる(大高宏雄『仁義なき映画列伝』など)。

主人公の自滅的な造型は渡との相性が良く、翌年には同じ深作監督による続編的作品(物語の連続性はない)『やくざの墓場 くちなしの花』も制作されている。

あらすじ 編集

終戦直後の新宿は、ヤクザと外国勢力との抗争が続く混乱の只中にあった。テキ屋一家「河田組」の石川は兄弟分の今井、杉浦と中野の「山東会」を襲撃しテラ銭を強奪、さらに抗争によって同会を壊滅に追い込んだ。石川はこの抗争の最中、置屋の若い女、地恵子を強姦して情婦にする。

石川の凶暴性を持て余した組長の河田は、「池袋親和会」の青木を消せと示唆する。石川は青木の情婦を犯し、青木を叩きのめす。復讐に集結する親和会勢力に一大抗争の危機を迎えるが、野津組組長野津の仲裁により事なきを得た。

杉浦は野津の盃を受け、組織に同化していく。破壊衝動の収まらない石川は、逆恨みから野津の車に放火する。石川殺害を命じられた杉浦だが、失敗して妻と共に姿を消した。

石川は河田から制裁を受けるが、逆上して河田を刺してしまう。今井にかくまわれる石川だが、その身を案じた妻・地恵子が警察に通報したことから逮捕される。

一年八ヶ月の懲役を受けた後、出所した石川は河田組から十年間の関東所払いを食らい、大阪へと流れ着く。釜ヶ崎のドヤ街で石川は小崎と出会い、娼婦からヘロインを覚える。

身体を蝕まれ中毒となった石川は、一年後に無断で帰京し、今井組の賭場へ現れる。しかし今井は石川を拒み、石川は今井とその妻を射殺する。石川は自殺しようとするが未遂に終わり、警察病院に収容された後、殺人及び殺人未遂で懲役十年の刑を宣告される。

服役中の昭和二十六年一月二十九日、心身を磨耗した地恵子が自殺した。それは刑務所内で胸部疾患が悪化した石川が、病気治療のため仮出獄を許される、わずか三日前のことであった……

火葬を終えた地恵子の骨壷をぶら下げ、死神のように彷徨う石川。河田組に現れた石川は、地恵子の遺骨を齧りながら河田に金をねだる。さらに幹部の神野、松岡からも金を獲た石川は、石材店を訪れ墓石を作るよう要請する。そして、「墓にはこう彫ってくれ」と言いながら一枚の紙片を渡した。

河田組組員に襲撃され負傷した石川は、病院生活を経て府中刑務所に収監された。そして昭和二十九年一月二十九日、石川は刑務所の屋上から身を投じ、二十九年の短い生涯を自らの手で終えた。その日は奇しくも亡妻・地恵子の三回忌の日であった。

刑務所の独房内には、石川が書いた遺書が残っていた---「大笑い 三十年の 馬鹿騒ぎ

新宿・常円寺境内。石川が建てた自分と地恵子、そして今井の墓石がある。そこには「仁義」の二文字が刻まれていた。その墓を訪れる人は、もう誰もいない。

スタッフ 編集

キャスト 編集

キャッチコピー 編集

俺が死ぬ時は カラスだけが泣く!

シナリオ 編集

鴨井の手による基本稿(第四稿)は、雑誌『シナリオ』1975年3月号に掲載されている。松田、神波が手を入れた決定稿は公刊されていない。

エピソード 編集

  • 冒頭で石川について語っているのは実際の関係者だが、そこに被さる映像は無関係な人物だという(『映画監督 深作欣二』)。
  • 渡は前年の大河ドラマ『勝海舟』を途中降板し、療養生活を経ての復帰第一作が本作であった。まだ病み上がりで本調子ではなかったが、それがかえって幸いして石川の不気味な迫力をいやが上にも増大した。特に骨齧りのシーンに於ける狂気的な表情は語り草となっている。
  • 深作は1972年の『人斬り与太 狂犬三兄弟』でも石川を描いているが不満があったらしく、「石川は(文太ではなく)渡が最適だ」と語っている。
  • 撮影に当たって関係者一同は石川の墓に墓参りをしている。石川の墓は新宿の常円寺に現存する。


リメイク 編集

2002年に『新・仁義の墓場』としてリメイク。監督:三池崇史、脚本:武知鎮典、主演:岸谷五朗。主人公は同じだが、時代設定は現代に置き換えられている。

関連項目 編集

関連書籍 編集


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