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テンプレート:文学八つ墓村』(やつはかむら)は、推理作家横溝正史が書いた長編推理小説、およびそれを原作とした映画作品やテレビドラマ。映画が3本、テレビドラマが6作品、漫画が5作品ある(2007年6月現在)。

概要と解説 編集

本陣殺人事件1946年)』、『獄門島1947年)』、『夜歩く1948年)』に続く名探偵金田一耕助シリーズの第4作目。

作品内冒頭に登場する村人32人殺し事件は1938年岡山県で実際に起こった津山事件がモデルで、題名も近隣に実在した地名、真庭郡八束村(現在の真庭市蒜山)をもじっている。

1949年3月から1950年3月までの1年間に雑誌『新青年』で『八つ墓村』連載した後、新青年の休刊を受けて1950年11月から1951年1月にかけて雑誌『宝石』で『八つ墓村 続編』として連載する。1952年に本作品で第5回探偵作家クラブ賞候補にノミネートされる。

横溝正史は戦時下、岡山県に疎開していた経験があり、この時の風土体験を元に、岡山県を舞台にした幾つかの作品を発表していて、これらはファンの間では「岡山編」と呼ばれる。本作「八つ墓村」は「獄門島」や「夜歩く」等と並んで岡山編の代表格とも言える長編作品である。

物語は、冒頭部分を作者が語っている形式で、それ以降は物語上の主人公である寺田辰弥(てらだ たつや)の回想手記を公表しているという形になっている。そのためか探偵役の金田一耕助は、他の金田一ものの作品に比べるとやや出番が少ない。

また、映像化された回数は横溝作品の中で最も多い(2005年9月現在で9回)。だが登場人物が非常に多く人物相関が入り組んでるうえ、トリックが複雑で巧妙なこと等から、映像化作品はいずれも大幅な改編省略を余儀なくされており、特に里村典子(さとむら のりこ)はこの作品の事実上のヒロインであるにも拘らず、一部を除き削除(1951年の松田定次監督の映画版と1996年の市川崑監督の映画版に登場するのみである)されてしまっている。

田治見要蔵の殺人シーンはあまりにも衝撃が大きく横溝映像作品の中でも特に際立っている。それ故筋立ては知らなくてもこの場面だけ知っている人も多い。

また、山村の因習や祟りなどの要素を含んだこの作品のスタイルは、後世のミステリー作品にも大きな影響を与えている。

なお、主に映画における濃茶の尼の「祟りじゃー」は、当時からパロディなどで多用され有名な台詞となった。

テンプレート:ネタバレ

あらすじ 編集

岡山県鳥取県の県境のとある村。

戦国時代(永禄9年=1566年)、この村に尼子氏の家臣だった8人の落武者たちが財宝とともに逃げ延びてきた。最初の内は歓迎した村人たちだったが、財宝に目が眩んで武者達を皆殺しにしてしまう。その際、武者達の大将が「この村を呪ってやる……」と言い残して絶命した。その後、村では奇妙な出来事が相次ぎ、祟りを恐れた村人たちは野ざらしになっていた武者達の遺体を手厚く葬るとともに村の守り神とした。これが「八つ墓明神」となり、いつの頃からか村は「八つ墓村」と呼ばれるようになった。

大正時代、村の旧家「田治見家」の当主・要蔵が発狂し、村人32人を惨殺するという事件が起こってしまう。要蔵は、その昔、落ち武者達を皆殺しにした際の首謀者・田治見庄左衛門の子孫であった。

そして26年後の昭和23年(作中の表記は2×年と伏せてあるが、他の記述から推定可能)、再びこの村で謎の連続殺人事件が発生、村は恐怖に包まれる。

登場人物 編集

金田一耕助(きんだいち こうすけ)
私立探偵。
寺田 辰弥(てらだ たつや)
「私」。要蔵の息子で田治見家の跡取りとして、八つ墓村に呼び戻される。
磯川 常次郎(いそかわつねじろう)
岡山県警警部。

八つ墓村 編集

田治見家 編集

落ち武者達の殺害の首謀者である田治見庄左衛門の子孫。東屋と呼ばれる村の分限者。資産は昭和23年(1948年)当時の金額で1億2000万円以上にも達する富豪の家である。

田治見 小梅(たじみ こうめ)
田治見 小竹(たじみ こたけ)
要蔵の伯母で、双子。両親を失った要蔵を育てた。
田治見 要蔵(たじみ ようぞう)
田治見家先代。26年前、妻子があるもかからずに井川鶴子を無理矢理に犯して監禁し、自分の妾にした。辰弥の父親が亀井陽一という噂を聞いて、鶴子と辰弥に暴行する。鶴子親子が家出して10日余り後、猟銃日本刀で武装し32人を虐殺する。その後、山の中へと姿を消した。
田治見 おきさ(たじみ おきさ)
要蔵の妻。26年前の事件で、要蔵に斬り殺された。
田治見 久弥(たじみ ひさや)
要蔵の長男で、田治見家当代。肺病を患っている。
田治見 春代(たじみ はるよ)
要蔵の長女。一度結婚したものの、腎臓を悪くして子供が生めなかったため離縁され、実家に戻っている。

その他 編集

久野 恒実(くの つねみ)
村医者で、要蔵の従兄弟。子供が沢山いる。趣味は推理小説を読むこと。
里村 慎太郎(さとむら しんたろう)
要蔵の甥。元軍人(階級は少佐)。
里村 典子(さとむら のりこ)
慎太郎の妹。26年前の事件のさなかに8ヶ月で生まれた。
お島(おしま)
田治見家に仕えている女中
野村 荘吉(のむら そうきち)
西屋と呼ばれる村の分限者。美也子の亡き夫・達雄の兄。
森 美也子(もり みやこ)
荘吉の義妹で、未亡人。
諏訪(すわ)
神戸の弁護士。野村家縁者。
新居 修平(あらい しゅうへい)
疎開医者。
井川 丑松(いかわ うしまつ)
鶴子の父で辰弥の祖父に当たる。博労をしている。
井川 浅枝(いかわ あさえ)
鶴子の母で辰弥の祖母に当たる。
井川(寺田) 鶴子(いかわ(てらだ) つるこ)
辰弥の母。郵便局で事務員をしていたが、田治見要蔵に拉致され、無理矢理妾にされた。亀井陽一との噂で要蔵に暴行を加えられ、「いつか殺される」と思い込んだ彼女は辰弥と神戸に避難した。その後、15歳年上の寺田虎造と結婚。死去。
井川 兼吉(いかわ けんきち)
丑松の甥。鶴子が監禁された後に丑松の養子となった。
亀井 陽一(かめい よういち)
小学校の訓導で、鶴子の恋人。26年前の事件後、遠くの小学校に転勤する。その後の消息は不明。
長英(ちょうえい)
麻呂尾寺の住職。
英泉(えいせん)
長英の弟子。度の強い眼鏡をかけている。戦争中は満州の寺にいたが、終戦後に引き揚げて麻呂尾寺に入った。
洪禅(こうぜん)
蓮光寺の住職。
妙蓮(みょうれん)
通称「濃茶の尼」。手当たり次第他人のものを盗む癖があるため、村人達からは疎まれている。夫と子供を26年前の事件で、要蔵に殺された。辰弥に対して敵対心を持つ。
梅幸(ばいこう)
慶勝院の。妙蓮とは対照的に、きちんとした感じの尼である。
片岡 吉蔵(かたおか きちぞう)
西屋の博労。26年前の事件では結婚したばかりの新妻を要蔵に殺された。

メディア 編集

映画 編集

テレビドラマ 編集

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ラジオドラマ 編集

関連ドラマ 編集

  • TRICK2 「六つ墓村」(2002年テレビ朝日
    • エピソード1(第1話~第3話前半)
    • 村の名前、名前は六つ墓村、侍の関係性など八つ墓村を題材とした作品だが同一ではない。

漫画 編集

本作品の漫画との関係は横溝正史#経歴および金田一耕助#漫画化作品に譲る。

  • 八つ墓村 :週刊少年マガジン1968年10月13日に連載開始、作画:影丸穣也、出版社:講談社
    • 少年誌で初めて取り上げられた劇画による金田一耕助シリーズの第1作目。その後、『悪魔が来りて笛を吹く』、『霧の別荘の惨劇』が続く。
  • 八つ墓村 :作画:つのだじろう、秋田書店(絶版)
  • 八つ墓村 :作画:掛布しげを、チャンスコミック社(雑誌掲載後未刊行)
  • 八つ墓村 :作画:JET、あすかコミックス、角川書店
  • 八つ墓村 :作画:長尾文子、秋田書店(雑誌掲載後未刊行)

CD 編集

  • CD 八つ墓村 :CDブック、角川書店、1996年
  • 八つ墓村 :東宝映画「八つ墓村」オリジナル・サウンドトラック

外部リンク 編集

関連項目 編集


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