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東宝株式会社とうほう、Toho Co., Ltd.)は、映画演劇の製作配給および興行会社。一般には映画会社として知られる。阪急阪神ホールディングス持分法適用会社で、2007年現在、直営演劇劇場2劇場(帝国劇場、新館シアタークリエ2007年11月7日リニューアルOPEN)を保有する。阪急阪神ホールディングス、エイチ・ツー・オー リテイリングとともに、阪急阪神東宝グループの中核企業となっている。本社は東京都千代田区有楽町一丁目2番2号。

歴史[]

発足と急成長[]

1932年8月に大阪阪急電鉄小林一三によって株式会社東京宝塚劇場として設立される。1934年に東京宝塚劇場を開場の後、有楽座、日本劇場帝国劇場を所有し、日比谷一帯を傘下に納め、浅草を手中に収める松竹と東京の興行界を二分するに至る。

一方、会社設立前年に創設された、トーキー制作のための写真化学研究所(Photo Chemical Laboratory(通称 PCL))は、1937年関連会社JOと合併し、東宝映画株式会社となる。東京宝塚劇場株式会社は、1943年これを合併し、映画の製作・配給・興行および演劇興行の一貫経営に乗り出し、社名を東宝株式会社と改めた。PCLには大日本麦酒なども出資しており(そのため、第一回作品は「ほろ酔い人生」)、東宝は発足当初から、従来の市井の興行師からスタートした映画会社とは一線を画する、財界肝いりの近代企業として期待と注目、そして反発を集めた。なお、その名前の由来は「塚」の略である。

戦中、東京宝塚劇場、日本劇場は風船爆弾工場となり、その東京宝塚劇場が戦後は進駐軍専用のアーニー・パイル劇場と改名されて10年間観客としての日本人立入禁止となるなど、歴史の証人を演ずることになる。

林長二郎事件[]

設立時、他社から多くのスターを驚くほどの高給で引き抜いた。1937年11月12日、天下の二枚目林長二郎が、左顔面を耳下から鼻の下にかけて、斜めに切りつけられ、骨膜に達する重傷を負う。犯人のヤクザは、この秋、長二郎が松竹から東宝に移籍したことから、松竹系の新興キネマ京都撮影所長の永田雅一らに教唆され、犯行におよんだものと判明した。事件後、林長二郎はこの名を松竹に返し、本名の長谷川一夫を名乗るようになった。

プロデューサーシステム[]

東宝の資本とPCLの技術の上に映画の興行面で展開をもたらしたのは製作における予算と人的資源の管理を行うプロデューサー・システムの本格的導入であり、これをもたらしたのがアメリカ帰りの森岩雄とされる。松竹の城戸四郎、日活の根岸寛一と並び称される森だが、この分野における足跡は大きい。PCL時代より民主的な社風で知られ、監督や大スターでも個室がなく、大物に対しても「さん」付けや「ちゃん」付けであった。巨匠監督も部下の助監督や名もない俳優を「さん」付けや「ちゃん」付けで呼んだ。歌舞伎の因習やヤクザっぽい親方子方気質を引きずった封建的な他の映画会社の体質を公然と批判した。他社のようにスタッフや俳優を縁故採用に頼るのではなく公募を戦前より行い、優秀な人材を得た。(しかしその優秀な人材が戦後の東宝争議の中心メンバーとなったため、後に縁故採用を強化し、権力に逆らわない人材を入れる傾向に変わっていった。)

東宝争議とその後の混乱[]

1946年から1950年にかけて、経営者と労組の対立が激化し、1948年8月には撮影所を占拠した組合員に対し武装警官や占領軍の戦車や飛行機まで出動するまでに至る。世に言う東宝争議であり「来なかったのは軍艦だけだ」と形容された。この間、大スターや有名監督の大半は第三組合によって設立された新東宝で活動を続け、東宝は再建不能とまでいわれた。

だが、そのことで入社したての三船敏郎らがすぐに主役として抜擢され、若い監督も活躍の場を得やすい状況になった。残留組イコール左翼的という単純な色分けはできないが、共産党員の多くは放逐され、新東宝はまもなく東宝と絶縁して独立会社となったため、比較的リベラルだが政治には深入りしなかった人材が多く残ることになる。新東宝は経営がすぐに悪化し(1961年倒産)市川崑ら一部は東宝に復帰する。

日本映画黄金時代[]

1950年代に迎えた日本映画の黄金時代に、黒澤明作品や円谷英二作品を始めとする諸作品によって隆盛を極め、映画の斜陽化が始まった1960年代にも無責任シリーズ若大将シリーズでヒットを飛ばす。また、社長シリーズ駅前シリーズなど安定したプログラムピクチャーの路線を持っていたことも強み、その後東宝は「殺人狂時代」を公開したが結局配給収入は失敗したがその後の再上映でカルト的な人気を誇った。

1959年にはニッポン放送文化放送松竹大映と共にフジテレビを開局。テレビにも本格的に進出する。

映画斜陽期へ[]

1970年代になると大映の倒産、日活のポルノ転向など業界の変化を受け、1972年に本社での映画製作を停止。本社の製作部門を分離独立させて発足した「東宝映画」「東宝映像」と傍系会社の「東京映画」、新たに設立した製作会社「芸苑社」「青灯社」を5つの核とした製作体制に切り替えた。製作部門の停止に伴い、外部からの買取作品・委託引受け作品の配給に力を入れ、自社の興行網を維持する形に転換。事実上、映画製作会社の看板を降ろし、配給や不動産部門へ軸足を移しながら経営の合理化を進めた。

映画製作本数が急激に減った分、テレビドラマを制作するようになり、『太陽にほえろ!』、『俺たちは天使だ!』などがヒットした。ただし、70年代までは砧撮影所は使用せずに国際放映や円谷プロに孫受け発注したり、東京美術センターなどの傍系スタジオを使用するケースが多かった。東宝配給の劇場映画も実際は大映撮影所(勝プロ作品など)や日活撮影所(ホリプロ作品など)で製作するものが増えたため、砧撮影所は急速に稼働率が低下、人員も離散した。大ベテランの岡本喜八堀川弘通両監督を解雇した1977年を一時代の終焉と見ることもできる。

1969年1978年東宝チャンピオンまつりとして子供向け映画を上映した。

現在[]

1990年代に入ると、自社での邦画製作は「ゴジラシリーズ」を除き行われなくなり、主にテレビ局や外部プロダクションが製作した映画を配給し、成功をおさめた。

2000年以降は、ワーナー・マイカル・シネマズが優位に立っていたシネコン市場に本格的に参入し、2003年のヴァージン・シネマズの買収でグループ企業のスクリーン数ではNo.1を誇る。(現TOHOシネマズ株式会社)

その後も、日本映画界、興行界に不動の地歩を占めつづけ、現在に至っている。

なお、同社は大手映画会社としては唯一撮影所出身の社長が存在しなかったが(経営陣待遇の大物プロデューサーと言われたうち、森岩雄は副社長、藤本真澄は専務、田中友幸は東宝映画会長どまり)、2002年に初のプロデューサー経験者(キャリアパスとしての短期間ではあるが)として高井英幸が社長に就任した。

近年は、東宝本体で製作委員会に参加するなど、映画製作において積極的な姿勢をとっている。

2006年には、年末年始恒例の東宝特撮映画が制作されなかった(その代わり東宝製作のアニメ映画を公開)。ただし、2006年7月に公開した「日本沈没」を製作しているため、特撮映画が全く製作されなかったわけではない(日本沈没は特撮同様のCGなどを駆使しているため、特撮といえる)。2008年現在、東宝での特撮製作は年に1~2本程度にとどまっている。

映画[]

主要作品[]

1930年代

1940年代

1950年代

1960年代

1970年代

1980年代

1990年代

2000年以降(~2005)

2006年
2007年公開

2008年公開(予定)

2009年公開(予定)

主要テレビ映画[]

1960年代
  • 鬼平犯科帳
  • サインはV!
  • 青春とはなんだ
  • これが青春だ
1970年代
  • アテンションプリーズ
  • 泣くな青春
  • 太陽にほえろ!
  • 高校教師
  • 愛の戦士レインボーマン
  • 光の戦士 ダイヤモンド・アイ
  • 流星人間ゾーン
  • われら青春!
  • 傷だらけの天使
  • 俺たちは天使だ!
  • 華麗なる刑事
  • 大追跡
  • 円盤戦争バンキッド
  • 炎の超人メガロマン
1980年代
  • 積木くずし
  • 誇りの報酬
  • クルクルくりん
  • 禁じられたマリコ
  • 名犬ジョリィ
  • タッチ
  • 教師びんびん物語
  • 電脳警察サイバーコップ
1990年代
  • ふしぎの海のナディア
  • 刑事貴族
  • 七星闘神ガイファード
2000年代
  • TRICK
  • 超星神シリーズ
  • ヴァンパイアホスト~夜型愛人専門店~
  • 真珠夫人
  • ファンタズマ~呪いの館~
  • 怪奇大家族
  • 富豪刑事
  • アストロ球団
  • 危険な関係
  • モップガール
  • パズル

主なプロデューサー[]

  • 藤本真澄
  • 田中友幸
  • 富山省吾
  • 金子正且
  • 渡辺晋

主な監督[]

主な脚本家[]

  • 小国英雄
  • 笠原良三
  • 村田武雄
  • 菊島隆三
  • 田波靖男

主な音楽家[]

  • 伊福部昭
  • 佐藤勝
  • 早坂文雄
  • 宮川泰
  • 萩原哲晶

主なカメラマン[]

主な俳優(男性)[]

  • 大河内傳次郎
  • 長谷川一夫
  • 志村喬
  • 上原謙
  • 黒川弥太郎
  • 藤原釜足
  • 伊藤雄之助
  • 藤田進
  • 小杉義男
  • 左卜全
  • 宮口精二
  • 森繁久彌
  • 池部良
  • 小林桂樹
  • 堺左千夫
  • 稲葉義男
  • 三船敏郎
  • 伊豆肇
  • 谷晃
  • 鶴田浩二
  • 三橋達也
  • 木村功
  • フランキー堺
  • 有島一郎
  • 三木のり平
  • 植木等
  • 田崎潤
  • 千秋実
  • 加東大介
  • 平田昭彦
  • 小泉博
  • 久保明
  • 人見明
  • 天本英世
  • 佐原健二
  • 土屋嘉男
  • 宝田明
  • 仲代達矢
  • 佐藤允
  • 中谷一郎
  • 中丸忠雄
  • 夏木陽介
  • 加藤武
  • 藤木悠
  • 児玉清
  • 加山雄三
  • 黒部進
  • 二瓶正也
  • 黒沢年男
  • 薩摩剣八郎中山剣吾
  • 三浦友和

主な俳優(女性)[]

  • 入江たか子
  • 飯田蝶子
  • 細川ちか子
  • 花井蘭子
  • 三益愛子
  • 山田五十鈴
  • 高峰秀子
  • 原節子
  • 轟夕起子
  • 山口淑子李香蘭
  • 木暮実千代
  • 淡島千景
  • 杉葉子
  • 角梨枝子
  • 久我美子
  • 塩沢とき
  • 八千草薫
  • 有馬稲子
  • 岡田茉莉子
  • 司葉子
  • 赤木蘭子
  • 千石規子
  • 岡田可愛
  • 若林映子
  • 中北千枝子
  • 笠置シヅ子
  • 越路吹雪
  • 浜田百合子
  • 藤間紫
  • 久慈あさみ
  • 岸旗江
  • 島崎雪子
  • 青山京子
  • 高千穂ひづる
  • 淡路恵子
  • 宮城野由美子
  • 若山セツ子
  • 新珠三千代
  • 河内桃子
  • 小田切みき
  • 草笛光子
  • 白川由美
  • 重山規子
  • 団令子
  • 中島そのみ
  • 水野久美
  • 高橋紀子
  • 前田美波里
  • 江利チエミ
  • 雪村いづみ
  • 上原美佐 (1937年生)
  • 横山道代
  • 二木てるみ
  • 藤山陽子
  • 豊浦美子
  • 沢井桂子
  • 沢井孝子
  • 浜美枝
  • 星由里子
  • 桜井浩子
  • 田村奈巳
  • 松本めぐみ
  • 酒井和歌子
  • 内藤洋子
  • 沢口靖子
  • 斉藤由貴
  • 野波麻帆
  • 長澤まさみ
  • 大塚ちひろ
  • 黒瀬真奈美
  • 柏木由紀子
  • 木匠マユリ
  • 山口百恵

その他[]

  • 五社協定

演劇[]

  • かつては長谷川一夫をメインとした「東宝歌舞伎」などが行われたほか、日劇・北野劇場での実演(歌謡ショー等)、宝塚歌劇、演芸の東宝名人会や日劇ミュージックホールや南街ミュージックホールでのヌードショー等多彩であった。
  • 現在はミュージカルや商業演劇を主に制作、興行している。

主な劇場[]

東宝直営

  • 帝国劇場
  • シアタークリエ(2007年11月7日開場)
新宿コマ劇場とシアターアプルは東宝系と見なされる事が多いが、厳密には東宝ではなく兄弟会社のコマ・スタジアムが経営する劇場である。舞台制作や興行も同社の手により行われている。
※東宝発祥の東京宝塚劇場は、現在は阪急電鉄(宝塚歌劇団)が経営し、舞台制作および興行を行っている。建物(東京宝塚ビル)自体は東宝所有。

その他

  • 日生劇場
  • 青山劇場
  • ル・テアトル銀座
  • 名鉄ホール
  • 中日劇場
  • 梅田芸術劇場阪急電鉄経営)
  • 博多座

かつて存在した劇場[]

  • 日本劇場(日劇)
  • 芸術座
  • 日劇ミュージックホール
  • 東宝演芸場
  • 北野劇場
  • 南街会館

関連会社[]

2007年2月28日現在で連結子会社52社、持分法適用関連会社4社である。ここでは、証券取引所に上場している連結子会社3社、持分法適用関連会社2社のみを挙げる。これ以外については「阪急阪神東宝グループ」の項目を参照せよ。

連結子会社[]

  • 東宝不動産東京証券取引所市場第一部)
  • スバル興業 (東京証券取引所市場第一部)
  • 国際放映ジャスダック証券取引所

持分法適用関連会社[]

  • 東京楽天地 (東京証券取引所市場第一部)
  • オーエス大阪証券取引所市場第二部)

所有ビルなど[]

  • 有楽町センタービル(有楽町マリオンの有楽町阪急の日劇東宝部分)
  • 東京宝塚ビル - 1~6階は東京宝塚劇場
  • 東宝日比谷ビル(日比谷シャンテ
  • ナビオ阪急(HEP NAVIO)

これ以外については東宝株式会社 不動産経営部を参照

外部リンク[]

テンプレート:関西テレビ


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