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殺し屋1』(ころしやイチ、Ichi the Killer)は、山本英夫漫画作品。または、それを原作に制作された映画、OVA作品。それらの主人公の名称。

概要 編集

週刊ヤングサンデー連載。2001年三池崇史監督で映画化された。映画化の際、映倫によってR-18指定( = 成人指定)されている。なお、本来、R-18は性描写に対するものがすべてであったが、暴力描写による指定は本編が初とされている。

なお、同じ原作者による、イチが殺し屋になる以前の、高校時代の物語「1 -イチ-」(全1巻)もあり、こちらも2002年に映画版のスタッフ(丹野雅仁監督)によってオリジナルビデオ作品として映像化された。主演は映画版と同じく大森南朋

漫画版 編集

テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:漫画

『ジジイ』率いる歌舞伎町のハグレ者グループ(イチも所属。ただし、ジジイ以外のメンバーは彼の顔を知らない)と『垣原』率いる暴力団・安生組との攻防を描く。読者に「痛み」を感じさせるような意図的な暴力描写が特徴。全10巻。 テンプレート:ネタバレ

作品の舞台編集

歌舞伎町の街がリアルに描かれており、名前にもじりはあるものの主な舞台となっているマンションや病院も実在する。PePe風林会館の喫茶店パリジェンヌ等、実名で登場する施設もある。

  • 「ヤクザマンション」

歌舞伎町のマンション。13階建て。一般人の入居者がわずかに2割で、残りの8割が組事務所、住居、愛人宅、風俗店不法就労外国人のタコ部屋等の暴力団関係施設であり、警備員もヤクザの息のかかったものが務める。ジジイと垣原の抗争の末、マンションの中にほとんど垣原組の4人しか存在しない状況になった。他の組員や一般住民が抗争を避けるために退去してしまったためである。ヤクザの間の取り決めとして、マンション内での銃器の使用は禁止されている。中心には中庭がある。

    • マンション内の主な施設
11階 安生の愛人宅
部屋不明。イチが安生とその愛人を殺し、ジジイらが約3億円を金庫から盗み出した。作中の時間軸でのイチによる最初の殺人。
1303号室 安生興業事務所
のち垣原組事務所。最上階。
803号室 SMクラブ「ウィスパー」
安生組系のSMクラブ。完全防音になっており、垣原達が拷問を行う際によく用いられる。
905号室 SMクラブ「ウィスパー2」
安生組系のSMクラブ。1巻の時点では組(安生興業かそうでないかは不明)の事務所が入居していた場所。二郎三郎兄弟による拷問シーンでは外に音が漏れており防音ではない。
  • 北新宿中央総合病院
垣原達の拷問を受けた鈴木が収容された病院。

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登場キャラクター 編集

ジジイ率いるはぐれ者グループ編集

イチ
本作品の主人公。本名は城石一(しろいし はじめ)。22歳。普段は地方[1]の板金工場で働いている。体型は細身の長身。気弱な性格だが超人的な脚力を持つ。過去に受けたイジメによるトラウマをジジイに利用され、対象人物が過去に自分を虐めたとされる人物(時としてジジイの刷り込みによる架空の者)に重なった時、トランス状態となって発作的に殺害する殺人マシーンとなった。彼の正体を知っているのはジジイのみ。
主な殺害方法は、彼の履く鉄骨仕込みの靴の踵にある仕込み刃によるもので、彼の超人的脚力も相まって、人間の四肢を軽々と切断し、斬られた相手が気付かないほどのすさまじい切れ味を誇る。また、彼の着ている特殊スーツのところどころにあるプロテクターはかなり高度な防弾加工がしてある。
本人は自覚していなかったが、いじめられていた過去を持つ為、人が傷つき痛めらつけられる事に性的興奮を覚える潜在的間接的サディスト。ヤクザでありながらマゾヒストでもある垣原との対峙が本作の中核でもある。
ジジイ
作中、暴力団の幹部達やイチの行動を、「イチによる平和の新宿(ハイキョ)計画」というシナリオ通りに、陰で操っていく男。策略に長ける。
整形手術で外見を老人にしているが、実年齢は30代前半であり、ステロイド注射によって小柄な骨格に不相応な筋量を有している。
最終話では、ジジイは妄想に取り付かれており、その計画には確固たる目的や意図なども無く、その妄想に全ての登場人物が振り回されていただけという形で物語が締め括られる。また実写版では、ジジイの妄想は絶望に変わる形でラストを迎える。 
昇(ノボル)
ジジイの「仲間」の一人。白いシャツにボウズ頭の巨漢。拳銃使いで密輸ルートなどにも詳しい。垣原に捕まり陰茎を真っ二つに切られた上、二郎の拷問を受け両腕をもがれてしまい、二郎を殺したイチにその場で殺害される。実写映画版には未登場。拷問を受けていた部屋にイチが現れた時には、イチが助けに来てくれたものだと勘違いして嬉し涙を流すなど、武闘派の元ヤクザ者と言えども、本作品内では良識ある普通の感覚の持ち主。
龍(りゅう)
同じくジジイの仲間。中国人で、ミユキというヘルス嬢に貢がせている「ヒモ」だが、実際は女性を心の底から愛でている。
ミユキを拉致した垣原に騙され、二郎、三郎に拷問を受けた後殺害される。日本語を話す。
実写映画版では拳銃を使い、昇とキャラクターが統合されている。
井上(いのうえ)
ジジイの仲間。禿げ頭で薬物中毒者特有の鋭い目つきをした死体性愛者。元は安生組の構成員であり、本名は加納(かのう)。それを隠しながら新宿で生きていくために、整形手術を受けている。垣原に捕らえられ、針による拷問を受けた後に殺害される。

垣原組編集

垣原雅雄(かきはら まさお)
もう一人の主人公。安生組の若頭であったが、後に三光連合から絶縁処分を受けて「垣原組」をつくる。痛みを性的な快感に置き換える究極のマゾヒストであり、同時にサディストでもある。拷問による顔にある大きな傷や裂けた口、顔に嵌められたピアスが特徴的で「ピアスのマー坊」という呼び名をもつ。
のような細長い針を常時何本も持ち歩いており、それは戦闘は勿論、拷問や「オトシマエ」に欠かせない彼の愛用の品である。なお、この針はピアスを開ける際に用いるニードルだと思われる。(先端の描写が、ニードルと酷似している点より)
当初は安生組長の敵を討つために行動していたが、イチの猟奇性、異常性が判明していくにつれ、イチへの期待は高まり、そのイチに狙われているという状況をSMプレイのように楽しみ、「絶望したい」欲望を満たすためにイチを求める。彼にとってSMとはプレイではなく生活である。
映画版ではファッション・容姿が著しく異なる。
金子(かねこ)
安生組(後に垣原組)の鉄砲玉。フルネームは金子修司(かねこ しゅうじ)。組への忠義心が高く、組のために命を投げる覚悟を持っている。だが同時に臆病でもある。妻には逃げられ息子のタケシと二人暮しをしている。イジメにあっているタケシに蹴り技を教えてくれた城石=「イチ」という事実を知り、ヤクザマンションで垣原を襲っているイチに発砲するが返り討ちに合い、息子をイチに託し死亡する。元は三回戦ボーイ止まりのキックボクサー。
高山(たかやま)
垣原組の構成員。垣原の傍に仕えている大男で、二郎・三郎兄弟には「ゴリラ」と仇名されている。かつて暴力で名を上げてきたが威勢のいいだけの肝っ玉の小さい男で、垣原の凶行には内心おびえる。ジジイ曰く「何の欲望も持たないブタ」。ヤクザマンションに一人で侵入していた、ジジイを見つけ後を追うがジジイに首を折られて殺害される。初めは両耳にピアスを付けていた(「オトシマエ」によるものかどうかは不明)が、後半からは何故か付けていない。
二郎・三郎(じろう、さぶろう)
6年前に解散した九州の悪名高き暴力団「阿籐組」の残党(実写映画版では悪徳刑事)の双子。二人とも暴力で女をねじ伏せ、金を巻き上げる、龍とは違うタイプのヒモ。同じく阿籐組組員だった垣原に呼ばれ、対殺し屋イチ用の助っ人として歌舞伎町に来た。二郎は人体を素手で引き千切るほどの怪力の持ち主で、三郎はドスの名手。双子ゆえの不思議な感情をお互いが持っており、些細なことで競い合っては手が付けられない兄弟喧嘩に発展する。本来は三つ子で、一郎という長兄がいたが、過去に些細な喧嘩が原因で二郎・三郎に殺害されている。
また、垣原の顔の傷と裂けた口は彼らによってできたものである
藤原(ふじわら)
垣原組の構成員。ヘマをすることが多いらしく、顔中に「オトシマエ」のピアスが付けられている。他の組員が引き抜かれていく中、何処にも引く抜かれることなく、渋々垣原組に残留していたが、後に耐えられなくなり逃亡。

その他編集

カレン
安生芳雄の愛人だったホステス。人脈を使い、垣原の援護をする。
鈴木(すずき)
「船鬼一家」の幹部だったが、ジジイの謀略で垣原から拉致・拷問を受け、大怪我を負わされる。その恨みと、中国マフィアに扮したジジイらの一計から、垣原組を壊滅させるための殺し屋を雇う。
中沢俊至(なかざわ しゅんじ)
安城や船鬼を傘下におさめる本家三光連合の会長。昔頭に銃弾を撃ち込まれた影響で常にフラフラしている。
船鬼(ふなき)
安生組とは同じ傘下にある、インテリ経済ヤクザである「船鬼一家」の組長。
安生芳雄(あんじょう よしお)
新宿の暴力団の中でも武闘派として一番恐れられている安生興業の組長。第一話にて「イチ」に殺害されるも、ダイイング・メッセージを遺す。垣原は安生から受ける暴力に悦びを感じてたとされるが、次の存在が見つかるまでの気休めでしかなかったらしい。カレン曰くロリコン。本編には死体の一部しか登場せず、垣原が所持する写真でのみ顔がわかる。
洋子(源氏名:セーラ)
イチの地元のピンサロ嬢。同棲している男に凄惨なドメスティックバイオレンスを受け、体中が傷だらけである。
金子タケシ
金子の息子。金子と共にヤクザマンションで暮らしている。学校でイジメを受けていたがイチが教えた蹴り技のおかげでいじめられなくなった。抗争にて父修司を失い天涯孤独になるが、作品の最後にはジジイによって「計画」のための新たなる殺し屋に仕立てられることを予感させる描写がある。


余談だが、登場人物のうちヤクザにはU系と呼ばれるプロレスラーの名前が元ネタに使われていることが多い。 具体的には、垣原高山藤原安生船鬼鈴木がそれにあたる。

映画版 編集

スタッフ 編集

出演 編集

エピソード編集

クエンティン・タランティーノは本作のファンで、電話口で怒鳴る高山役の菅田の演技を気に入り、『キル・ビル Vol.1』に菅田を起用した。他にも船鬼役の國村や、ヤクの売人役の風祭なども同作に出演している。また、作中に垣原を彷彿とさせる口の裂けた男が登場したり、ルーシー・リュー演じるオーレン石井の最期が三郎と同じであるなど、本作に影響を受けたと思しきシーンがある。

オリジナルビデオ作品「1 -イチ-」 編集

スタッフ 編集

出演 編集

OVA作品「殺し屋1 THE ANIMATION EPISODE.0 」 編集

 このOVA作品では、原作で語られることのなかった、殺し屋「イチ」の過去の話について明かされている。 

  • 監督:石平信司
  • 映像特典:対談「イチを創った男たち」(原作・山本英夫×精神科医・名越康文×脚本家・佐藤佐吉)/三池崇史アフレコ初体験/特報/劇場予告編
  • 時間:50分
  • 言語音声:DD(ステレオ)

出演 編集

脚注編集

  1. 1巻では東京から自転車で10時間という描写があり、のちに具体的に新潟と描かれた。


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