『蒲田行進曲』(かまたこうしんきょく)とは、
- 戦前に存在した松竹キネマ(現・松竹株式会社)蒲田撮影所の所歌。原曲はルドルフ・フリムルの1925年のミュージカル「放浪の王者(The vagabond king)」の中の「放浪者の歌(Song of the vagabonds)」で、その旋律に堀内敬三が歌詞を付けて映画「親父とその子(1929年、監督・五所平之助)」の主題歌として発表された。1929年(昭和4年)8月、川崎豊と曽我直子のデュエットで、コロムビアからレコードが発売された。東日本旅客鉄道 京浜東北線蒲田駅の発車メロディとして使用されている。また、元横浜大洋ホエールズの加藤博一(故人)の応援歌にも用いられていた。
- つかこうへい作・演出の舞台作品。1980年11月、つか主宰の劇団つかこうへい事務所により紀伊國屋ホールで初演。同年、第15回紀伊國屋演劇賞を受賞。つかは1982年に一旦演劇活動を休止し劇団を解散するが、解散公演では本作が再演された。その後も、1999年、2000年、2006年とたびたびキャストを変えて上演されている。本項で詳述。
- 上記の上演用戯曲をつかこうへい自身が小説化した作品。初出は『野性時代』1981年10月号発表の「銀ちゃんのこと」。『蒲田行進曲』と改題、加筆の上、同年11月に単行本化され、1982年1月には第86回直木賞を受賞した。本項で詳述。
- 上記の小説をつかこうへい自身が脚色し、深作欣二が監督した映画作品。1982年に角川春樹事務所製作のいわゆる角川映画として松竹系で公開された。第6回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀主演男優賞・最優秀主演女優賞・最優秀助演男優賞・最優秀音楽賞と各部門を総嘗めにしたほか、映画界の各賞を多数受賞している。(ちなみに、松竹映画の名監督の野村芳太郎は、東映出身の深作欣二に、自分たち松竹映画の過去を象徴する「蒲田行進曲」というタイトルの映画を撮られたことに憤り、4年後の1986年に自らプロデューサとして映画『キネマの天地』を企画した。)本項で詳述。
- TBSにて、1983年6月22日に前編、6月29日に後編と、2回に分けて放送されたテレビドラマ。主役の沖雅也が6月28日に飛び降り自殺した事から、翌日の後編の放送分は特に話題を呼ぶ事となった。本項で詳述。
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作品[]
「新選組」の撮影真っ最中の京都の映画撮影所を舞台に、土方歳三役の俳優・倉岡銀四郎(銀ちゃん)を中心に繰り広げられる、人間味溢れる活劇に仕上がっている。クライマックスシーンの10mの高さの階段から転がり落ちる「階段落ち」は圧巻。後に続編として「蒲田行進曲完結編~銀ちゃんが逝く」が製作された。「熱海殺人事件」「ロマンス」等と並ぶつかこうへいの代表作のひとつであり、舞台、書籍、映画化されている。なお、直木賞の選評で選考委員の一人五木寛之は「蒲田行進曲」を天皇制と身分制度についての影絵文学としている。
舞台版主要キャスト[]
- 1980年(初演)
- 加藤健一(銀四郎)
- 根岸季衣(小夏)
- 柄本明(ヤス)
- 1982年(つかこうへい事務所解散公演)
- 加藤健一(銀四郎)※公演前半
- 風間杜夫(銀四郎)※公演後半
- 根岸季衣(小夏)
- 平田満(ヤス)
- 1999年・2000年
- 錦織一清(銀四郎)
- 小西真奈美(小夏)
- 草彅剛(ヤス)
- 2006年
- 錦織一清(銀次郎)
- 黒谷友香(小夏)
- 風間俊介(ヤス)
- 佐藤アツヒロ(中村屋)
銀ちゃんの恋[]
1996年、宝塚歌劇団月組が石田昌也潤色・演出、題・『銀ちゃんの恋』で宝塚バウホールで上演。
- 久世星佳(銀四郎)
- 風花舞 (小夏)
- 汐風幸 (ヤス)
2008年10月、宝塚歌劇団花組で『銀ちゃんの恋』再演を予定。
- 大空祐飛
映画版[]
映画版キャスト[]
- 風間杜夫(銀四郎)
- 松坂慶子(小夏)
- 平田満(ヤス)
- 高見知佳(朋子)
- 原田大二郎(橘)
- 蟹江敬三(監督)
- 清水昭博(助監督)
- 岡本麗(トクさん)
- 汐路章(山田)
- 榎木兵衛(トメ)
- 清川虹子(ヤスの母)
- 千葉真一(特別出演・本人役)
- 真田広之(特別出演・本人役)
- 志穂美悦子(特別出演・本人役)
- 萩原流行(勇二)
- 石丸謙二郎(大部屋A)
- 酒井敏也(マコト)
映画版スタッフ[]
テレビドラマ版主要キャスト[]
- 沖雅也(銀四郎)
- 大原麗子(小夏)
- 柄本明(ヤス)
- 美保純
- 川島なお美
- 岡本麗
- 有馬稲子
- 尾美としのり
- 高松英郎
- 小野武彦
- 野村昭子
外部リンク[]
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